開票結果から見る岐阜県の状況

投票率 岐阜県選管より

岐阜県全体での投票率は59.1%で、3年前の前回選挙を5.42ポイント上回った
郡上の投票率だが72.82%と相変わらず非常に高い
得票数は若井氏10952、服部氏5055、せお氏3840と自民にとっては堅い結果を出している

飛騨、高山、白川村、下呂など、自民逆風の選挙だったが、今落ち着いて振り返ってみると、県下北部においてはなんというか、もともとの地盤の堅さが現れていた
少なくとも昨年衆院選の時に比べると全く印象が違う

ただ多治見市、可児市では服部氏に負けているし(薄い赤色)、美濃加茂市のように僅差のエリアも複数ある(ベージュ色)
これを見ると、岐阜4区、南部というのは、ほぼ立憲の圏内のようである

しかし、やはり驚くべきなのは参政だ
結果を見る限り、立憲とほぼ互角に渡り合っているように見える(緑色のセル)
また中日新聞の出口調査では、支持政党無しの投票先は34%が瀬尾氏、28%が服部氏、17%が若井氏であり、参政がトップなのである(若井氏の2倍)
4区南部では44%が瀬尾氏に投票している

羽島市、瑞穂市は僅差、大垣市、羽島郡、岐南町、笠松町に至っては立憲に勝っている
組織票を持っている立憲にポンと出てきて勝ってしまうのだから、参政は岐阜においても大変な影響力を示したと言える

何もできなかった自民、立憲

中盤から伸び方が際立った参政だが、保守政党であるだけに「自民の票が食われる」といった分析がメディアで飛び交った
しかし、参政、国民に票を入れたのは氷河期世代を含めた若い層だということが選挙後のデータからは判明している

20代の若者の4人に1人が国民、参政に投票したという分析結果もある
70歳以上の高齢者はそれぞれ5%程度しか得票していない
自民は参政に多少は食われたろうが、振興政党の成果は、やはり浮動票、無党派層、これまで選挙に行かなかったような新しい層を巻き込んだからだと言えそうだ

「日本人ファースト」(参政党)や「手取りを増やす」(国民)など分かりやすいスローガンで有権者をさしに行く振興勢力に比べると、自民は昨年の衆院選から引き続いて本当に無策であり、「食われた」のではなく、要するに「最初から弱いままの自民だった」だけなのでは…と思う

選挙戦において明確でキャッチーな論点、争点を提示できなかったのは自民も立憲も同じだ
伝統政党のほとんどは、はっきり言って保守なのか、リベラルなのか、何がしたいのか、どっちがどっちなのか、有権者から見て本当に味気のないものに変わり果てているのではないかと思われる

参政の選挙後の支持率は既に国民を抑えて第二位だ
ほとんど野党第一党であるかのような勢いだ
多党並立の不安定な状態の中で、おそらく参政はエッジの効いた主張や法案を提出することだろう
そうなるとこの政党は今後も注目されていくことになる

内部組織も地方における下部組織もまだこれからだと思われるが、今後地域における組織化が進行すると参政は本当に驚異的な存在になるだろう
この躍進を一時の流行りや、一種のポピュリズムだと見なす意見がメディアでは散見されるが、過小評価はとても危ういと思う

資料 岐阜県選挙管理委員会

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