鹿を生け捕りにした様子がなぜ炎上してしまうのか?

明宝の芝桜の件だが、例の某ジビエ工房が鹿を生け捕りにしている様子がTVで流れてしまい、市がクレームの対応に追われていると聞いた

害獣である鹿を生け捕りにした様子がなぜ炎上してしまうのか?ということだが、一般質問でも取り上げた「不法投棄」の問題も含め、昨今は「そういう時代」なのである

下記に森林ジャーナリストとして知られている田中淳夫氏のとある記事を紹介しておく

害獣の駆除にもアニマルウェルフェア

アニマルウェルフェアとは主に家畜の合理的な生産性を追求する理念であり、動物にも良いが、結果的にそれは人や社会に対しても益があるため、急速に広まっていった

この記事は2017年ものだが、既にこの時点で獣害対策においてもアニマルウェルフェアが適用されようとしていることが分かる

ただ、こうした現代的な概念をわざわざ持ち出さなくても、獣を処分するとき余計な苦痛を与えないことは、現行のコンプライアンスにおいても担保されるはずである

ところが、狩猟というか、ジビエにおいては、なぜか「生け捕り」に関して奇妙な神話が根付いてしまっている

どうしても生け捕りにしたいという人がいるのだ

猪を生け捕りにする料理人兼猟師がメディアで有名になったというのも原因のひとつだと思われる

もともと猪も鹿もこんなにはいなかったわけだし、ジビエ事業も国策として広まっていったのは2010年代の前半くらいからだ

なので「食べるために生け捕りにする文化」みたいなものは、歴史的にはなかったはずなのだ

猟師の人が「生け捕り」に抵抗感を持つ、というのは奇妙に聞こえるかもしれないが、私も含めてなるべく速やかに静かに処理する派が多数だと思われる

銃で撃ち殺すのは派手に見えるが、生け捕りはその何倍も苦しめることになるからだ

生け捕りは状況によっては有りうるかもしれない

例えば、捕獲場所から工房までが遠いとか(しかし、ガイドラインには30分以内に搬入出来ることとしてある わざわざ遠方から生きたまま運ぶ理由にはならない どうしても肉が欲しいのだろう)

生け捕りにされた獣はおとなしくしていたとしても、大変苦しんでいる

長時間高いストレスに晒され肉質は落ちていく

アニマルウェルフェア的には違反している状態なのだ

そもそも罠にかかった時点で相当苦しんでいるわけだが、それを羽交い締めにしてロープでぐるぐる巻きにしたりするわけである

いかに害獣と言えど、精神的に正常な人間なら、その様子を見て抵抗感や違和感を持たない方がどうかしているというものだろう

ところが、それをこれでもかと得意気に見せてしまうところが、絶望的に感覚がズレている点なのだが、まあ、分からないのだろうなと思う

やれやれである

ところで、それはそれとして捕獲数300というのも方ぼうから疑義が持たれており、困っている

隊員は個体票を提出するので誰が何頭獲っているかはもちろんだが把握されている

工房に搬入された数も…である

報奨金などお金も絡む話なので、そのような言動は謹んで頂きたいところである

アニマルウェルフェアについて 農林水産省

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です