このまちがすきだというキモチ
郡上に移住して二年、もうそろそろ三年目です。
休日に山に行き、山頂からの景色を眺める、森の匂いに佇んでみたり、キノコを取ったり、鹿や猪を追いかけ回す。
そんな事がしたくて私は郡上に移住しました。
ですから、郡上と言えば「城下町」ですが、私にとっては山や森や沢、そこに蠢く無数の生き物たちこそが郡上でした。
ところがある時期から私は不思議な感覚を抱く様になります。
まちを歩いていると唐突にある感情が胸の奥から湧き上がってくるのです。
朝焼けの堤防、木漏れ日に輝く用水路。あるいは黄昏時に夕飯の支度の匂いが漂う路地裏、夜の帳に包まれ誰もいなくなった十字路、点滅する信号……。
まちのいたるところで私は足を止めました。
この懐かしいような、切ないような、どうしようもない「このキモチ」はなんだろう?
ほどなくして私はハッと気付きました。
「ああ……これは自分が住んでいるこのまちそのものへの感情なんだ……」「ああ……自分はこのまちがほんとうにすきなんだな……」
きっと郡上にもともと住んでいる人にはなんでもない、見慣れた風景だと思います。
それは田舎の地方都市に行けばおそらくどこでも目にする風景かもしれません。でも「それがいい」のです。
でもそれが、私にはとても心に沁みてくるのです。
自分が住んでいるまちを「すきだ」と感じる感覚を持てることは、人生や生き方の幸福度、充実度を考える上でとても大事なことだと思います。
多くの人々が「このまちがすきだ」というキモチを「共有」し、「持ち続ける」こと。
その為に出来ることをしたいと考えています。
このまちに住み続けたいというキモチをまもり、育んでいくこと。
どうか、皆さん、私に力を貸してください。
そして「このまちがすきだ」に向かって共に歩んで行きましょう!